メダカの繁殖にチャレンジしてみよう
近年、改良メダカのブームによりメダカ飼育者が増えてきています。
メダカ飼育の楽しみ方は様々ですが、その中でも繁殖は非常に大きな一つと言えます。
その他の観賞魚に比べメダカは、繁殖が容易で時には放っておいたら勝手に殖えた、なんてこともあるほどです。
ですが、環境が整っていないと、産んでくれない、または上手く稚魚が育たないということも頻繁に起こります。
そこでメダカを上手く繁殖させる方法をご紹介します。
具体的な産卵準備
メダカを用意しましょう
メダカは孵化後、約3~4ヶ月(約2.5cm)で繁殖が可能になります。
繁殖可能なメダカを雌雄用意しましょう。
メダカの数が少ないと落ち着くことが出来なかったり、雌雄の相性が悪いなど、産卵に至るまでに時間がかかる場合がありますので、最初は雄雌合わせて5~10匹ほど買ったほうがスムーズに産卵をすることが多いです。
早ければ1週間ほどで産卵を開始します。
また、雌雄のバランスは♂1:♀2くらいがベストです。
産卵のための環境作り
メダカが産卵を開始するにはいくつかの条件がありますので、環境を整えていきましょう。
- 水温
18~30℃ - 日照時間(明期と暗期)
明期13~14時間、暗期11~10時間 - 十分なエサ
その中でも、卵の数は夏の高水温時に多くなるので、飼育下で卵を増やしたい場合は28℃以上にした方が良いです。
なまず先生
また、多くの生き物には不応期と言って外からの刺激(温度や光など)に反応しないor反応しにくい時期があり、メダカの場合は9月・10月は特に反応しにくいのじゃ。
野村稔 1964 :魚類の成熟・産卵と外部環境要因,水産増殖Vol.12,No.3,159-196
そして、十分な餌を与えましょう。
1日2~5回ほど、1分ほどで食べきる量を与えましょう。
不応期やその他の様々な要因で環境を整えても産卵をしない場合がありますが、気長に待ってあげましょう。
産卵スタート
環境と体調が整うと産卵を開始します。
産み始めの卵は、2~3個と少なかったり無精卵の場合がありますが、徐々に増えていき20~30個ほどの受精卵を毎日産むようになります(品種やメスのサイズ、エサの量によっては卵の数や産卵回数は変動します)。
約3ヶ月間産み続け、次第に減っていき産卵が終了します。
メスが卵を産み付ける産卵床は、水草などの天然のものや、タマゴトリーナなどの人工物にも産み付けます。
水草だとホテイソウやマツモ、ウィローモスなどによく産み付けます。
人工物だとタマゴトリーナ、スポンジ、目の細かい網などにも産み付けます。
メダカくん
- オスがメスへ近づき、並んで泳ぐ。
- 泳ぎを止め、オスがメスの下方やや後方の位置を維持する。
- メスが頭部を約30°持ち上げる。
- オスがメスの鼻先をかすめるように、円を描くように回転する。
- メスが頭部を約60°持ち上げる。
- オスが背ビレと尻ビレを使い、メスを抱きかかえる。
- オス・メス共に小刻みに体を振動させる。
- その状態で産卵と射精が行われる。
- メスは卵をお腹に付けたままで、数時間後に水草などにこすりつける。
小林牧人,頼経知尚,鈴木翔平,清水彩美,小井土美香,川口優太郎,早川洋一,江口さやか,横田弘文,山本義和 2012:屋外池における野生メダカ Oryzias latipes の繁殖行動,Nippon Suisan Gakkaishi 78(5),922-933
メダカくん
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メダカの繁殖方法 ~産卵&卵の管理編~