この記事では、メダカの繁殖方法の中でも、特に産卵に必要な道具と卵の管理方法についてご紹介しています。
前編のメダカの繁殖方法 ~産卵準備編~はこちらです。
メダカの繁殖方法 ~産卵準備編~
メダカの産卵前に用意するもの
メダカの採卵をし孵化させるには、必要な道具がありますので用意をしておきましょう。
必要な道具は、こちらになります。
- 水草やタマゴトリーナなどの産卵床
- 卵を隔離する容器
- スポイト
- 魚病薬
それぞれの目的・方法などをご説明していきます。
産卵床
メダカは産卵直後は卵をお腹にくっつけたままですが、数時間後に水草やタマゴトリーナなどの産卵床へ産み付けますので、産み付けられるものを入れておきましょう。
ここでは、産卵床として使える水草・人工産卵床それぞれを、メリット・デメリットと共にご紹介します。
水草
メリット:勝手に殖える
デメリット:卵のみを管理する場合不向き、魚病薬を使用できない
・マツモ
・ウィローモス
人工産卵床
メリット:洗える
デメリット:たくさん用意する場合のコスト
・コロたまボール
・スポンジ
・ネット
卵を隔離する容器
卵は親が食べてしまいますので、別容器に移して管理をしましょう。
・プラスチックカップ
・プラケース
・タッパー
スポイト
卵の掃除の際に、小さなゴミや無精卵、死卵などを取り除くのに便利です。
魚病薬
魚病薬のメチレンブルーやアグテンなどの青い薬を入れるのがオススメです。
無精卵や死卵に生えるカビを抑制でき、ダメな卵のみを青く染めることができるのでカビが生える前の早期に発見しやすくなります(受精卵は染まりません)。
便利ですのでぜひ使ってみて下さい。
・グリーンFリキッド
・アグテン
・ヒコサンZ
メダカくん
産卵開始!産んだ卵の管理方法について
環境や体調が整うとメダカが産卵を開始します。
いつ産み始めるかは分かりませんので、暖かくなってきたら産卵床を事前に入れておきましょう。
産卵床に産ませる場合、
・卵を産卵床ごと別容器へ移す方法
・産卵床から卵を取り外し、卵のみを管理する方法
があります。この2つの方法をご紹介します。
また、メダカのお腹から直接採卵する方法があり、そちらは下部動画でご紹介します。
ただし、メダカを傷つける可能性もありますので上級者向けです。
卵を産卵床ごと別容器に移して管理
・毎日産むので産卵床がたくさん必要
・孵化率は普通
ほとんど自然まかせに近い方法です。
卵を産み付けられた産卵床を別容器に移すだけですので、ほとんど手間がかかりません。
ですが、メダカは春から夏にかけてほぼ毎日産卵をしますので、たくさんの産卵床が必要になります。
また、産卵床についたままだと手入れがしづらく、自然まかせの状態になります。
孵化率は高くもなく低くもなく、といった感じです。
産卵床をたくさん用意できる場合はオススメの方法です。
産卵床から卵を取り外して別容器で管理
・産卵床が少なくてすむ
・孵化率を高く出来るけど、ちゃんと管理しないと壊滅する場合がある
産卵床に産み付けられた卵を取り外して管理します。
卵を取り外すのには手間がかかりますが、卵のみを管理できるので衛生的です。
また、孵化を待たずに産卵床を次に使えるので、産卵床は少なくてすみます。
卵の掃除をしっかりすると孵化率をかなり上げることが出来ますが、管理をおこたると壊滅してしまうこともあります。
こまめに卵の掃除が出来る方にはオススメの方法です。
卵を産卵床から取り外した後は、卵をもみ洗いします。
卵の掃除方法については次の項目でご説明します。
卵の掃除をしよう
洗わなくてもある程度は孵化しますが、メダカの卵には水草などに絡みやすくするための付着糸と付着毛という粘着性の糸があり、卵同士がくっつき掃除しにくくなったり、ゴミがくっつきやすくなりますので洗ったほうが孵化率が上がります。
<洗浄前>
<洗浄後>
[卵の採卵ともみ洗い動画]
※動画はお腹から直接採卵をしていますが、産卵床から取り外しても大丈夫です。
卵の中には無精卵や成長途中で死んでしまうものがあり、そういった卵はカビが生えてきます。
そのカビが近くの卵に移ってしまうと良い卵も死んでしまいますので、ダメな卵はスポイトなどで取り除きましょう。
また、卵も呼吸をしていますので酸欠にならないように3日に1回ほどは掃除や水換えをしましょう。
[卵の掃除]
卵の孵化はいつ?孵化日数の計算方法
メダカの卵は、孵化日数をある程度計算することが出来ます。
産卵から孵化までの管理温度を一日ごとに加算した合計が約250℃になると孵化します。
250℃÷管理温度=孵化日数
と、おおよその孵化日数を予想できます。
例えば
20℃で管理した場合は、12.5日前後で孵化します。
(合計温度)250℃÷(管理温度)20℃=12.5日
25℃で管理した場合は10日前後
250℃÷25℃=10日
30℃で管理した場合は8日前後
250℃÷30℃=8.3日
という感じです。
18℃以下や30℃以上は孵化率が悪く、奇形が産まれやすくなります。
18~28℃が孵化率が高く、奇形も少ないので可能であればヒーターで調整しましょう。
なまず先生
順調に卵が育つと可愛い稚魚が出てきます。
孵化後の稚魚の飼育方法はこちら
メダカの繁殖方法 ~孵化・仔魚・稚魚編~
メダカの繁殖方法 ~孵化・仔魚・稚魚編~