グリーンウォーター(青水)とは水中に植物プランクトンが大量に発生し、緑色になっている水のことを呼びます。
屋外で飼育をしているとグリーンウォーターになりやすく、屋内でも日当たりやライトの点灯時間によってもなることがあります。
また、水が汚れている(富栄養)場合にもなりやすくなります。
基本的には観賞魚が見えにくく見た目も良くないので嫌われるグリーンウォーターですが、メダカや金魚の飼育では好んでグリーンウォーターを使用されることがあります。
そんなグリーンウォーターのメリット・デメリットをご紹介いたします。
メリット
色揚げ
植物プランクトンに限らず、植物は黄色や赤色の色素をたくさん持っています。
そのため、植物プランクトンやそれを食べた動物プランクトンを食べる事により、メダカや金魚の赤系の色揚げに効果があります。
植物が緑色に見えるのは光合成の際に青色や赤色の光を吸収し、不要な緑色が反射されて緑色に見えているのです。
メダカをより美しく 色揚げの方法と仕組み稚魚の餌
稚魚の死因の多くがエサを食べられない事による餓死です。
市販の稚魚用飼料が食べられない生まれたての稚魚は、グリーンウォーターで飼育をすると植物プランクトンやそれをエサにする動物プランクトンが湧きやすくなり餓死を防ぐことが出来ます。
冬場の水温
水は不純物が多くなると水温の変化が緩やかになります。
グリーンウォーターでの越冬は水温が緩やかに下っていきますので、川や池と比べ水量の少ない飼育環境でも比較的ダメージを少なくすることが出来ます。
また、冬眠中でも全く何も食べない訳ではないので、冬場の非常食にもなります。
デメリット
魚が見えない
観賞魚を飼育している上で、魚が見えないというのは致命的です。
また、魚の状態も分からないので調子を崩している際に発見が遅くなってしまう危険があります。
ガス病
植物プランクトンも光合成を行います。また、水は温度が高くなると気体が溶け込みにくくなる性質があります。
濃いグリーンウォーターの場合は夏場の高水温時に光合成により酸素を出し続けると、気体がそれ以上溶け込めない飽和状態になります。
その際に魚のヒレや体表、エラなどにたくさんの気泡が付き、その周辺が荒れてしまうことがあります。
そこから別の病気に繋がりやすくなりますし、エラに気泡ができてしまうと酸欠になります。
水草が枯れる
植物プランクトンと水草は光や必要な栄養素が被っているので競合します。
水草の方が十分な光や栄養を得られず、枯れてしまいます。
グリーンウォーターの注意点
水質浄化
水草や植物プランクトンが育つ際に水中の硝酸やリンなどを吸収するので、水質浄化の効果があります。
しかし、グリーンウォーターになるということはエサのやりすぎや過密など、そもそもの飼育環境が良くない場合がありますのでグリーンウォーターの浄化効果に頼るのではなく飼育環境を見直してみるのも良いかもしれません。
グリーンウォーターは些細なことで死滅してしまうことがあります。
グリーンウォーターの浄化効果に頼ってしまっている場合は、それにより一気に水質が悪化し生体に大きなダメージを与えることがありますので注意が必要です。
光合成と呼吸
植物は昼は光合成により酸素を排出しますが、夜は酸素を吸い二酸化炭素を排出します。
濃いグリーンウォーターの場合は、夜に酸欠状態になりやすいので注意が必要です。
pHの変動
グリーンウォーターでは光合成により二酸化炭素の増減が激しく、それによりpHも大きく変動します。
昼は二酸化炭素が減りpHが上がります(アルカリ性)。夜~朝にかけて二酸化炭素が増えpHが下がります(酸性)。
水換えの時期や水質を測る際にpHを見る方も多くいるかと思いますが、グリーンウォーターではpHの数値があまり当てにならなくなる場合があります。
生クロレラ
生クロレラを溶かした水は一時的に緑色になりますが、定期的に添加しないと持続できません。
生クロレラは動物プランクトンのエサとして製造されているものですので、上記のメリット・デメリットには当てはまりません。
まとめ
グリーンウォーターはメリットもデメリットも多くあります。
目的によって使い分けるのが良いです。
ただ、濃すぎるグリーンウォーターはデメリットがメリットを上回ることが多いので、濃さを調整しながら使用していきましょう。